サウナで精子は減る?妊活中の男性サウナーが知っておきたいこと
サウナ予備知識「サウナの熱が精子によくないって本当?」
妊活中の男性に限らず、サウナ好きの男性ならばご自身の身体への影響は気になりますよね。結論から言うと、サウナによる精子の影響は「まったくゼロ」とは言い切れません。
この記事では、医師や専門家の情報をもとに「サウナと精子の関係」や「サウナで気をつけるべきこと」をまとめています。身体への影響や妊活中に気をつけるべきことが知りたい方はぜひ読んでみてください。
1.【結論】サウナは精子に影響するけど、回復する
・なぜサウナが精子に影響するのか?
精巣は、身体の中でも特別な臓器のひとつ。精子を健康につくるため、体温より約2〜3度低い温度を必要としています。だからこそ精巣は体の外側に位置しているのです。
サウナに入ると、当然ながら全身が高温にさらされます。精巣の温度も上がり、その結果として精子の数が減ったり、運動性(動く力)が落ちたりすることは事実としてわかっています。
フィンランドで行われた研究(2013年)によれば、2週間にわたってサウナを頻繁に利用した男性を調べたところ、精子の数と運動性が一時的に低下したことが報告されているのです。(※参考:ヒロクリニック)
・サウナ直後は影響があるけど、数週間で回復する
先ほどの研究結果報告だけみると「サウナの熱=精子に悪い」と思ってしまいそうですよね。
もちろん、サウナ直後の影響は避けられませんが、これはあくまで一時的なもので、数週間で回復することがあらゆる研究からわかっています。
医師であり、日本サウナ学会代表理事を務める加藤容崇氏の著書『医師が教える究極にととのうサウナ大全』には、以下のような研究結果の報告が記されています。
①オーストラリアシドニー大学が発表した研究(1984年)
(1)ドライサウナ(85度/湿度10 %)のサウナに20分入浴
(2)サウナ後1週間で精子の数は2/3に減少
(3)5週間後に正常値に回復
(4)10週間後に至っては初回よりも若干増加
(5)一部精子の形態異常も発見→サウナ後6週間で正常化
②タイグループによる研究(1998年)
(1)80度のサウナに毎日30分、2週間続けて入浴
(2)サウナ直後は精子の移動速度が低下を発見
(3)1週間で正常化し、数や量などの異常は発見されなかった
これらの結果から、サウナは少なからず精子への影響はあるものの、サウナに入らなければ正常に戻るということがわかります。
妊活中の方が意識すべきは、サウナに入るタイミングや頻度です。
ここからは、具体的に気をつけるべきポイントを解説します。実は、サウナとは関係のない部分が大きく精子の健康に影響を与えることがわかりました。
2. 妊活中の男性サウナーが気をつけるべきポイント
① タイミング法の「1週間前」からサウナを控える
『医師が教える究極にととのうサウナ大全』(加藤容崇著)には『サウナ後1週間は精子に影響が出る』と明記されています。
タイミング法の予定がある方は、1週間前からサウナを控えるのがベストです。
同書では「精子はちょっとやそっとのことで影響が出るものではないので、気にする必要はない」としながらも、精子の数や運動能力がボーダーラインにある方は特に注意が必要と記されています。
② サウナ室に入る場合は、タオルで下半身を守る
精子と精巣は、熱に非常に弱いです。サウナの熱いベンチに座ったり、直接熱からの刺激を受けるということは、少なからず影響が出てきます。
日頃のサウナから、座面に直に座らずサウナマットを敷く、下半身にタオルをまいて熱から守るといった対策がおすすめです。
③「きつい下着」を身につけない
『医者が教えるサウナの教科書』(加藤容崇著・ダイヤモンド社)では、サウナのタイミングや頻度ももちろん大切ではあるが、精子への影響がいちばん危惧されるのは「タイトな下着」といった内容が記されています。
タイトな下着に比べ、ゆとりのある下着を着用していた方が、精子の形態異常が減少するという報告があるのだとか。
下着以外にも、スマートフォンの長期利用が精子の運動性を下げる可能性や、逆に、コーヒーの飲用が精子の運動性を上げる可能性も報告されています。
④日頃からストレスをためない
下着への影響に関する論文では、「余暇をきちんと取ると精子の濃度が上がる」という結果も報告されているとか。逆をいえば、きちんと休息が取れていないと精子にも悪影響があるといいます。
つまり、唯一のストレス発散方法がサウナだという方にとって、それを取り上げることが逆効果になる…という可能性もあるのです。
また、サウナによる温冷交代の刺激は、ストレスホルモン(コルチゾール)を低下させる効果が期待できることもわかっています。
もちろん、妊活中の方は、パートナーや医師との相談、時期やタイミングなど、気をつけるべきことはありますが、サウナでリセットすることは、結果的に妊活にいい効果をもたらすとも言えるかもしれません。
3.【まとめ】妊活でサウナを諦めず、上手に付き合おう
「サウナの熱は少なからず影響を与えますが、一時的なものでいずれ回復する」ということがわかりました。
ただし、妊活中の方、とくにタイミング法を実施している方は、1週間ほど前からサウナは控えましょう。
・タオルやマットなどで熱の刺激から守る、
・サウナ後(日頃から)タイトな下着を履かない
・ストレスをためすぎない
こういったちょっとした意識も、精子に影響を与えるところなので、ぜひ取り入れてみてください。
ただし、検査の数値が気になる方、不妊治療中の方は、サウナの利用頻度も含めて担当のかかりつけ医への相談が大切です。自己判断よりも、必ず専門家の意見を優先してくださいね。
妊活でサウナを諦めず、ぜひ上手に付き合ってみてください。
参考文献
・加藤容崇著,『医師が教えるサウナの教科書』,ダイヤモンド社,2020年3月, ・加藤容崇著,『医者が教える 究極にととのう サウナ大全』,ダイヤモンド社,2023年7月,207ページ ・ヒロクリニック「精子と温度、サウナの関係性について」(医師監修)


