サウナに入ると音に敏感になるのはなぜ?【サウナと聴覚】

サウナに入ると普段よりも「音」に敏感になる。そんな経験ありませんか?室内で流れる音楽がいつもより鮮明に聞こえたり、カランやシャワーの音が大きく聞こえたり、普段は気にならない機械音が気になったり……。実は、これサウナに入ったことで「聴覚」が研ぎ澄まされたからと考えられているんです。今回は、そんなサウナと聴覚の関係を調べてみました。
- 目次
1.感覚を司る「「頭頂葉」が活性化するから

よく「サウナに入ると五感が研ぎ澄まされる」と言いますが、これは頭頂葉が活性化するからだと考えられています。
頭頂葉とは、触覚や空間認知、視覚認知、運動制御、言語機能など、さまざまな認知機能に関わる脳の一部。
サウナドクターである加藤容崇氏の著書『医師が教えるサウナの教科書』によれば、サウナから出て安静にしていたときに頭頂葉の働きを調べたところ、一部の領域で「β(ベータ)波」が増加していることがわかったそうです。
「β波」とは、高い集中力、覚醒時、ほど良い緊張状態で現れる脳波のこと。つまり、β波が増加したことで、音に対する集中力が高まったと考えられるんですね。

【補足】
実は、直接的ではなく、間接的に聴覚と関係していると言われています。 聴覚そのものと密接に関わるのは「側頭葉(そくとうよう)」です。
頭頂葉は ・音の方向や距離を認知する ・音を聞き取り、体の反応を調整する ・文字や音から情報を処理する
サウナに入ることで、音の方向感覚に鋭くなったり、環境音に意識が向きやすくなったりするのは、頭頂葉が関係していると考えられるんです。
2.α波が正常化し「集中状態(ゾーン)」に入るから

サウナドクター加藤容崇氏著書の『医師が教えるサウナの教科書』によれば、サウナに入ると「α(アルファ)波」が正常化するという研究結果があることがわかっているそうです。
「α波」とはリラックスしているときに出る脳波のことで、正常化すると心拍数が落ち着き、リラックスできます。
「α波」が正常化すると、「集中状態」いわゆる「ゾーン」に入りやすい状態になることをご存知ですか?「ゾーン」に入るとは、
感覚が研ぎ澄まされた特殊な精神状態(※1)
を指す心理的用語です。
つまり、身体はリラックスしているのに、感覚は研ぎ澄まされている状態のこと。

古来から伝わる「禅」にも通ずる話のように思えますが、実際調べてみると以下のような記述を見つけることができました。
”坐禅では、ゆっくりした腹式呼吸が推奨されます。腹式呼吸を実践していくと副交感神経優位の状態になり、ゆったりした気分になります。このように坐禅に慣れてくると、半睡半醒の状態となり聴覚鋭敏になって、線香(坐禅の時に時間測定のために使われることがあります)の落ちる音が聞こえるほどになると言われます。”(※2)
サウナ後に聴覚が研ぎ澄まされるように感じるのは、「α波」や「ゾーン」が大きく関係していると言えそうですよね。
3.ホルモンのひとつ「ノルアドレナリン」が分泌されるから

ノルアドレナリンは、主に「覚醒」「注意力」「警戒心」を高める神経伝達物質です。ストレスや興奮、集中しているときに分泌され、視覚・聴覚・触覚など五感を敏感にすると言われるホルモンです。
サウナでノルアドレナリンが分泌されるのは、まさにサウナの高温環境が、過度なストレスを生み出しているから。ノルアドレナリンが分泌されると、
・重要な音を聞き取りやすくなる ・音の処理速度が上がる ・小さな音でも大きく感じる(※)
など、聴覚の感度も高まります。
サウナ後に聴覚が研ぎ澄まされているように感じられるのは、ノルアドレナリンが分泌された証拠。また、頭がシャキッと感じられたり、いつもより集中できることにも、大きく影響していると言えますね。
※過剰に分泌されると「聴覚過敏」の原因になる
4.脳疲労を解消し、脳を活性化させてくれるから

脳が疲れていると「五感」が鈍くなると言われています。情報を処理する脳が疲弊してしまうと、あらゆる感覚が鈍くなってしまうということです。サウナに入ると、五感が研ぎ澄まされると言われますが、これには「脳疲労の解消」が大きく関係していると考えられます。

サウナは、脳疲労の原因となる「情報」を強制的にシャットダウンできる環境にあるため、脳疲労の解消につながるからです。
脳疲労回復には 十分な酸素と栄養の供給 が不可欠。脳内を流れる血流は全体の約15%。脳を正常化させるためには多くの血液が必要だからです。
サウナに入ると身体が温まり、全身の血流がアップします。これにより脳への酸素・栄養素が行きわたるようになるため、老廃物がリフレッシュされ、脳内のパフォーマンスを向上させることにつながります。
普段よりも「音」に敏感になるのは、脳疲労が解消されたとも言えるかも知れませんね。
5.まとめ
サウナに入ると普段よりも音に敏感になるのは、
①感覚を司る「「頭頂葉」が活性化するから
②α波が正常化し「集中状態(ゾーン)」に入るから
③「ノルアドレナリン」が分泌されるから
④脳疲労を解消し、脳を活性化させてくれるから
これらの理由であると考えられます。
五感が研ぎ澄まされるサウナ後は、普段よりも音楽や映像を心地よく、そして美しく感じられるはずです。

プライベートサウナ『LOCA THE CLASS. AOYAMA』では、立体的なサウンドを楽しめるBALMUDAのスピーカーが設置されているほか、巨大スクリーンでドラマや映画鑑賞を楽しめます。
ぜひ、サウナ+音楽、サウナ+映像でよりリラックス効果を高めてみてください。
\お得なプランはこちらから/ 【通常料金の半額|初回体験プラン】
引用・参考文献
※1:Donani,「ゾーンに入るとは? 職場での環境づくりで集中力アップ!」
※2:東京ブラインド工業株式会社, 萩原光男コラム・エッセイ,『副交感神経を優位にすれば、音の世界が広がり、健康にも役立つ』
・加藤容崇著,『医師が教えるサウナの教科書』,ダイヤモンド社,2020年3月,31-33,44-47ページ