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【サウナと睡眠の関係】就寝の何時間前にサウナに入るとよく眠れる?

サウナと健康

「サウナに入るとよく眠れる」そんな話を聞いたことがある方は多いと思います。確かにサウナに入るとぐっすり眠れたり、スッと入眠できたり…筆者自身も「サウナは睡眠にいい効果をもたらす」と注目しています。

そこで今回は、サウナと睡眠の関係性をじっくり解説。筆者なりに調べ上げた「なぜサウナに入ると良く眠れるのか?」「寝る何時間前にサウナに入ればいいのか」をひも解きます!ぐっすり眠れずに悩んでいる方、必見です。

目次

1.サウナ後よく眠れる理由

まず、気になるところは「なぜサウナに入った日はぐっすり眠れるのか」ですよね。そこには、サウナによる効能が関係していました!

①深部体温がしっかりあたたまるから

①深部体温がしっかりあたたまるから

人がスッと入眠するためには「深部体温の低下」が重要だと言われています。


深部体温とは、身体の中心部の体温のこと。深部体温が上昇すると、血管が収縮し、身体は「活動モード」となり、脳は思考のめぐりがよくなると言われています。


この深部体温が下がると血管が拡張され、身体が「活動モード」から「休息モード」へ切り替わります。眠っている赤ちゃんの手足に触れると、とても温かいですが、これは深部体温が下がり、手足から体温が放出されているためです。


つまり、入眠するためには深部体温を下げる必要があるということ。深部体温は一度ぐっと上昇させると下がりやすい特徴があり、サウナはこの「深部体温」のコントロールにとても有効です。


サウナは、じわじわと体温をあげて、深部体温を上昇させることができます。さらに水風呂に入ることで、身体が「活動モード」に切り替わり、血管が収縮し、体内の血液が深部に集中することで、深部体温を上昇させることができます。


サウナ水風呂で深部体温をぐっと上昇させると、その後は次第に下がっていくため、サウナに入った後は「入眠」しやすいいうわけです。

②ほど良い疲れを感じられるから

②ほど良い疲れを感じられるから

そもそも人間がなぜ眠くなるのかというと、脳と身体が「休息」を求めているからです。人間が休息を求めているときは「疲労」を感じているときですよね。よく眠れたときは「疲れが取れた」、逆によく眠れないと「疲れが全然取れない」と感じると思います。


サウナ後にスッと入眠できるのは、サウナによる温冷交代浴で身体が疲労を感じたから、という説があります。


サウナドクターと呼ばれる加藤容崇氏の著書『医師が教えるサウナの教科書』の中にこんな記述があります。




「サウナや水風呂に入ると、汗を大量にかいたり、毛穴が引き締められたりすることで、体温調整がめまぐるしく行われます。そして外気浴で一息ついたと思ったら、2セット目に突入。これはまるで、猛ダッシュ→アイシング→インターバルという、過酷なシャトルランのようです。もちろん、実際に筋肉を使うわけではないので疲労物質はたまりませんが脳が勘違いするのかもしれません。「この肉体は、ものすごく疲れた」と。(※)



確かに、短時間で汗を出し、水風呂に入り、休憩する……サウナの心地よさと爽快感は「運動」に似ている部分も多いです。現に、短時間で血管の拡張・収縮がくり返すことで「サウナは血管の筋トレ」と言われることもあります。


サウナにより短時間で血管の拡張・収縮がくりかえされることで、体が「疲れた」と感じ「休息しなくては」と感じやすくなる……。サウナによる程よい疲れが、入眠そのものを手助けしてくれる、と考えられそうですよね。


※引用元:加藤容崇著,医師が教えるサウナの教科書,ダイヤモンド社,20203,37ページ

③自律神経がととのうから

③自律神経がととのうから

サウナに入ると「乱れていた自律神経がととのう」ことは有名な話ですが、そもそも自律神経が乱れていると、どうなるのでしょうか?


自律神経は、活動時に優位になる「交感神経」リラックス時に優位になる「副交感神経」、このふたつがバランスを保つことで正常に働きます。朝になると目が覚め、活動的に仕事ができ、夜は自然と眠くなる……こんな生活ができるのも自律神経が正常に機能してくれるおかげです。


自律神経が乱れてしまうと、食欲がわかない、やる気がでない、イライラする、よく眠れないなどなど…身体にあらゆる不調が現れます。もっとひどくなると「うつ病」と診断されてしまうことも。


サウナは、そんな自律神経に刺激を与えることで、乱れていたバランスをととのえてくれる……そんな効果が期待できます。

サウナに入ると、徐々に身体があたたまり「副交感神経」が優位になります。その後、次第に身体が「あつい」と感じ始め、サウナの熱さに順応すべく「交感神経」が優位になります。


水風呂へ移動すると、水風呂の冷たさに順応すべく「交感神経」は優位なままです。その後、外気浴などでゆったりと休憩することで「副交感神経」が優位な状態へ切り替わります。


自律神経は「血管の調整機能」の役割も担っています。サウナにより短時間で「交感神経⇔副交感神経」が切り替わることで血液の流れもよくなり、自律神経の切り替えがスムーズに行われるように。


自律神経のバランスが乱れていると、就寝時にも興奮状態が続いてしまい「よく眠れない」といった不眠症状が現れます。しかし、サウナで自律神経のバランスをととのえると、就寝時に自然と「副交感神経」が優位になるため、スッと入眠できる……というわけです。

2.就寝の何時間前にサウナに入ると効果的?

サウナに入ることで、睡眠の質を向上させることができると解説しました。


いつ・どのタイミングでサウナに入ると、その効果がより発揮されるか気になりますよね。ここでは、就寝の何時間前にサウナに入るべきかについて解説します。

①就寝の1時間半〜2時間前なら軽めのサウナを

①就寝の1時間半〜2時間前なら軽めのサウナを

就寝の1時間半〜2時間前に軽めにサウナにはいることで、深部体温を一度上げて、下げる……という人間が入眠に入りやすい状態を作り出すことができます。


ポイントは、高温のサウナに入らないこと、水風呂に入らないことです。


低温のサウナに入ると、神経をしずめ、緊張をとく鎮静作用が働きます。これにより、副交感神経を優位にすることができ、スッと入眠することができるんです。


水風呂に入ると「交感神経」が優位になってしまうため、就寝前はおすすめできません。サウナでゆったり体を温めたら水風呂には入らず、外気浴や内気浴でゆったり時間をかけて休憩し、深部体温が下がりやすい状態をつくりましょう。

②水風呂に入りたいなら夕方に

②水風呂に入りたいなら夕方に

とはいっても「水風呂に入りたい」という方は多いと思います。そういった方は、ぜひ夕方サウナに入るようにしてください。


夜しっかり眠くなるためには「自律神経のバランスをととのえることが大切」だとお伝えしました。


夕方は、昼間活動的だった「交感神経」が「副交感神経」に切り替わるタイミング。夕方サウナに入ると、交感神経⇔副交感神経の切り替えをスムーズに行われ、夜ぐっすり眠れるよう準備に入ることができます。


注意しておきたいのが水風呂後は、しっかり時間をかけて休憩すること。サウナと水風呂によって優位になった交換神経を、休憩によってしっかり落ち着かせることで、夜はスッと入眠できます。

まとめ

サウナと睡眠の関係性について解説しました。

正しく入ることでサウナは睡眠の質をグッと向上させてくれます。

ちなみに、睡眠の質を高める目的でサウナに入る方は、「サウナ後にカフェイン・アルコールを摂取しない」「寝る前にスマホをいじらない」など、サウナ後の行動も意識してみてください。

ぜひ、サウナでより良い睡眠を手に入れましょう。

参考文献

・早坂 信哉 監修,名医がやっている 正しいサウナの入り方,宝島社,20237月,38ページ


・加藤容崇著,医師が教えるサウナの教科書,ダイヤモンド社,20203,37ページ


・小林弘幸著,自律神経の名医が教える! サウナのトリセツ,学研プラス,20219月,48,142.146ページ

この記事を書いた人
ライター・はせがわみき
はせがわみきhttps://twitter.com/hamigaki_write
フリーランスライター・社会人になりたての頃、会社の先輩からすすめられた「サ道」を読んだことがきっかけでサウナへどっぷりはまる。サウナは歴8年。サウナスパ健康アドバイザー資格保持。好きが高じて、現在はサウナ施設・銭湯への取材・レポート記事をメインに手がける。好きなサウナは中温・高湿度。好きな水風呂は、ぬるめの18度。
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