サウナの「ととのいイス」の重要性。種類やベストな姿勢も解説
サウナコラムサウナに通い慣れてくると、ついサウナ室や水風呂の温度ばかりに目がいきがちになりますが、サウナでもっとも重要な要素といえば「休憩」ではないでしょうか?筆者もさまざまな施設をめぐるうちに、イスの高さや角度ひとつで体感がまったく変わることに気づきました。そこで今回は、ととのいイスにフォーカスを当てて、イスによってちがいはあるのか、ベストな体勢はなにかを解説していきます。
ととのいイスは身体を「リラックス」へ導く存在
ととのいイスとは、サウナ→水風呂のあとに休憩するためのイスのこと。
ごくごく簡単にいえば、単なる「休憩用のイス」なのですが、このととのいイスがあるからこそ、サウナと水風呂で高ぶった交感神経を落ち着かせ、至高の”ととのい”へ辿り着ける……サウナにとって、ととのいイスとはそんな存在なのです。
ととのいイスには大きく3つの役割があると、筆者は考えています!
- ①緊張状態だった身体を、リラックス状態へ導く
- ②余計な筋肉の緊張をゆるめる
- ③呼吸や心拍を正常値に戻し、休ませる
サウナと水風呂を経た体は、血管の拡張・収縮を繰り返し、心拍数も高い状態。そのまま立ったり、中途半端な姿勢で座ったりすると、体はなかなかリラックスモードに入れません。
つまり、「座れればなんでもいい」わけではなく、姿勢をどう預けられるかによって、サウナの満足度も大きく変わってくるといっても過言ではないのです!
ととのいイスの種類と特徴は?
「ととのいイス」と言っても、実はいくつかタイプがあります!それぞれの特徴を見ていきましょう。
ベンチ(角度なし)
ベンチタイプは、銭湯などでよく見かけるタイプ。他に人がいなければ、あぐらや体育座り、足を伸ばしたりと自由度が高いことがメリット。ただし、長時間の休憩には向いていないこともあります。
ガーデンチェア(角度なし)
プールサイドやアウトドアの場面で活躍してくれる、ガーデンチェア。多くのサウナ施設で採用されている定番タイプです。水濡れに強く、軽くて移動しやすいのもメリット。足置きがついているとなお良し。
アディロンダックチェア(やや角度あり)
近年よく見かけるようになった、大きめのアウトドアチェア。深めに座れるため、座り心地が安定するのが魅力。少し角度がついており、腰掛けるだけで自然とリラックスできます。一般的なイスに比べて幅が広いため、窮屈すぎず姿勢の自由度も高めです。
インフィニティチェア(角度自由)
座った状態で角度を調整できる、画期的なアウトドアチェア。足が心臓よりもやや高い位置になる体勢が楽しめることから”無重力感覚”を味わえ、サウナ界で大人気。筋肉の緊張も解けやすく、ととのいやすいと言われています。
フルフラット・デッキチェア(ほぼフルフラット)
休憩時は「横になる」がベスト
ととのいイスにもさまざまな種類がありますが、休憩時のベストな姿勢は「横になること」だと言われています。
サウナドクターの加藤容崇氏の著書『医者が教える 究極にととのう サウナ大全』のなかに、以下のような記述を見つけました。
水風呂に出た後の体は、皮膚表面は血管が収縮して血流が減少しているのに対して、体の中心部はサウナで蓄えた熱がまだ残っています。つまり、手先などの末端は冷たくなっている状態です。しかし、横になると重力の影響で、末端にも血液が流れやすくなります(※)
つまり、末端にまで血液が行き渡ると、より身体がリラックスしやすいということ。そのためには「横になる」姿勢がベストというわけです。
たとえ完全に横にはなれなくても、休憩時は”身体がリラックスする体勢”を意識することが重要です。それにより、サウナと水風呂で高ぶった交感神経を一気に副交感神経へ導くことにつながり、高いリラックス・リフレッシュを味わうことができます!
「気持ちいいけど、どこか落ち着かない」と感じるときは、実は体のどこかが無意識に緊張している証拠。ぜひ”身体が楽になる”姿勢や環境を意識してみてください。
休憩を制するものはサウナを制する!
サウナーの間では「水風呂を制するものは、サウナを制する」という言葉が使われたりしますが、筆者は個人的に、休憩こそサウナの真髄であると考えています!
自分がどんな体勢でどんな環境だと、よりリラックスできるのか、身体が楽だと感じるのか…。サウナや水風呂の温度やスペックだけでなく、ラストの休憩に意識を向けると、よりサウナが楽しくなるはずです!
ぜひ、自分のベスト休憩を見つけてみてくださいね!
引用元
・加藤容崇著,『医者が教える 究極にととのう サウナ大全』,ダイヤモンド社,2023年7月,55ページ


