サウナに入ると「うつ病」になりにくいのは本当ですか?
サウナと健康脳内物質のバランスやストレス、生活環境など複数の要因で発症する「うつ病」。日本では「一生のうち15人に1人がうつ病を経験する」と言われており、誰にでも発症する可能性が高い病気です。回復にも時間を要し、その後もうまく付き合っていく必要があるとも言われていますよね。
実は、そんなうつ病に「サウナがいい」と言われているのです。果たして本当なのか気になりますよね。その根拠や理由を調べてみました。
1.サウナの利用頻度が高い人は、うつ病リスクが低い傾向にある
※Cardiovascular and other Health Benefits of Sauna Bathing: A Review of the Evidence, Mayo Clinic Proceedings, 2018
※加藤容崇著,『医者が教える 究極にととのう サウナ大全』,ダイヤモンド社,2023年7月,134ページ
2.現在うつ病の人は?サウナドクターが興味深い実験を公開
海外の研究結果で分かっていることは「サウナ浴はうつ病のリスクを低下させる」というものでしたが、現在「うつ病」で苦しんでいる方も、サウナに入ることで症状が緩和するのか気になるところ。
日本サウナ学会理事であり、サウナドクターとして活躍する加藤容崇氏は、うつ病を患う方と一緒にサウナに入ったときの体験談をこうを語っています。
私自身、一度、うつ病を患っている方と一緒にサウナに入ったことがあります。その方は、長年うつ病を患っていらっしゃって抗うつ薬が手放せない状態だったそうです。私が出演したテレビのサウナ特集をみてサウナに入ったところ薬がなくても数日間は非常に調子良く過ごせるようになったとのことでした。実際に一緒に入ってみると、2セット目以降は別人のように動きが速くなり、話し方もスムーズになりました。あまりにも変化が劇的だったため、とても驚きましたが、もちろん、これは被験者が1人しかいないため、これだけで科学的な議論をすることはできませんし、効果があると断定はできません。(※引用元1)
加藤先生はこの実験を経て
サウナにはうつ病の予防をする効果だけでなく、すでにうつ病の人の症状を軽くする効果もあるかもしれない(※引用元2)
と感じたそうです。
この結果だけで「サウナに入るとうつ病が改善する」とは言えませんが、サウナが大きな可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。
※引用元1:DIAMOND ONLINE「サウナがうつ病に効果があると考えられるこれだけの理由」
※引用元2:※加藤容崇著,『医者が教える 究極にととのう サウナ大全』,ダイヤモンド社,2023年7月,135ページ
3.サウナがうつ病にいいと言われる理由
あらゆる研究結果を元に「サウナに入ることでうつ病のリスクが低下する」と言われる根拠を探してみました。
ここからは、なぜサウナがメンタルケアによいと言われるのか、その理由を解説します。
①セロトニンなど「幸せホルモン」が増加するから
②ストレスホルモンの低下するから
※みんなのホルモン研究所,「ストレス解消法のサウナとホルモン分泌について」
③脳のエネルギー消費が抑えられ、思考が落ち着きやすくなるから
- 何もしていないときに働く回路:DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)
- 集中しているときに働く回路:CEN(セントラル・エグセグティブ・ネットワーク)
- 意識していないのに考え事が止まらない
- ↓
- 自分に注意が向きすぎる
- ↓
- 疲れ切って動けなくなる
④自律神経がととのい、睡眠の質が上がりやすくなるから
- サウナ・水風呂で交感神経が優位になる
- 外気浴で副交感神経が優位になる
参考 ・医療法人社団燈心会ライトメンタルクリニック,「サウナが精神にもたらす影響とは?うつ病に効果的?精神科専門医が解説!」 ・加藤容崇著,『医者が教える 究極にととのう サウナ大全』,ダイヤモンド社,2023年7月,136-137ページ
4.まとめ
- ①海外研究で「うつ病リスク低下」が明かされている
- ②サウナドクターがうつ病患者の変化を目撃している
- ③サウナがうつ病にいいのは、ホルモン・脳回路に変化をもたらすから


