サウナは「ととのわない」でいい。誰よりもサウナを楽しむシンプルな方法

「サウナと水風呂に入ってもととのえない」よく、こんな相談を持ちかけられます。たしかに「ととのい」は、とても気持ちがいいものです。ですが、「サウナ=ととのわないとダメ」というイメージが先行している気がして、少しさびしく感じています。だって、サウナはととのわなくても、十分気持ちがいいと思うからです。この記事では、9年ほど前からサウナにはまり、現在はほぼ「ととのわない」サウナに通い続ける筆者が、誰よりもサウナを楽しむシンプルな方法を紹介します。
- 目次
1.そもそも「ととのう」ってなに?

なぜ、多くの方がサウナに「ととのい」を求めるのでしょう?答えは簡単。「ととのう」と、とにかく、気持ちがいいからです!
「浮遊感」「宇宙との交信」「生命の神秘」など……「ととのう」感覚の解説はさまざま存在しますが、この記事では、ととのう=ディープリラックス状態と定義つけようと思います。
ディープリラックス状態とは、心身ともにリラックス状態になること。サウナ→水風呂→外気浴をくり返すと、身体はとてもリラックスしているにも関わらず、脳はシャキッとすっきり目覚めます。
日常生活でこういった感覚に陥ることは少ないですよね。気軽に、手軽にこの感覚を手に入れることができるからこそ、サウナはここまでブームになったのかもしれません。
2.サウナで「ととのわなくていい」理由。サウナを楽しむシンプルな方法

・サウナにハマったきっかけ
筆者は、知り合いからサウナを勧められたことがきっかけで、9年ほど前からサウナのおもしろさを知りました。今でも、サウナが大好きです。
私がサウナにハマったのも、「本に書いてあった”ととのう”を体験してみたい」と思ったことがきっかけでした。はじめてととのった時の感覚は、今でも忘れません!
・2年ほど前からパタリと「ととのわない」

ところが、2年ほど前から「ととのう」感覚を感じる場面が少なくなっていきました。
サウナ→水風呂→休憩……一般的に「ととのう」入り方を試してみても、以前のように「ととのった〜〜!」という強い感覚を味わうことができません。
気になって調べてみると、サウナの刺激に身体が慣れてくると、ととのいづらくなる(※)ことが分かりました。
もちろん「ととのう」と気持ちがいいですし、心身ともに生まれ変わったような感覚が味わえて、リフレッシュになります。
ただ、「ととのう」をゴールにすると、どこかで無理をしている自分がいることに気づきました。特に、水風呂です。

私は、低温の水風呂が苦手です。「ととのう」ためには、サウナ室→水風呂→外気浴で、自律神経の「交感神経」と「副交感神経」に大きな振り幅を持たせることが重要だと言われています。
つまり、ととのう=水風呂に入るほかない、というわけです。でも、結局無理して水風呂に入ってもととのわないわけだから、思い切って入るのをやめました。
水風呂は、入りたいと思った時に入る。無理にして入らないというマイルールを作った結果、以前よりもサウナに行くのが楽しみになりました。
気分に合わせて入り方を変えることで、心も身体もすごくリラックスできるなと感じたからです。それに、ととのわずとも、サウナによる健康効果を十分すぎるほど実感していました。
・サウナは「ととのう」だけじゃない。ととのわずにサウナを楽しむマインド
- 【サウナでととのわずとも、実感できている効果】
- ・身体が温まってリラックスできる
- ・血流が良くなって、肩こりが和らぐ
- ・デジタルデトックスできて、脳の疲労が解消されたように感じる
- ・サウナに入った日は、気持ちよく入眠できる
- ・モヤモヤとしていた、気持ちがパーッと晴れる
サウナに入って身体を温める。水風呂は入りたかったら入って、入らないときは水シャワーか、そのまま休憩。セット数は適当。外気浴でも、内気浴も、気分次第。
決まった入り方やルーティンにとらわれず、自分の気分次第で入り方を変えても、サウナは楽しいし、気持ちいいし、心身の健康にいい。
そんな実体験があるからこそ、サウナは無理に「ととのわなくていい」と思っています。
3.無理にととのわない私が、自然に「ととのう」条件

もはや「ととのわない」サウナを楽しんでる私。ですが、ごく稀に「今日は、ひさびさにととのった!」と思う時があります。
「もう一度だけ”ととのい”を味わいたい……」
そんな風に、ととのえない苦しみを感じている人には参考になるかもしれないなと思い、あくまで個人的な意見ですが、ととのいやすい条件をまとめてみました。
①近所のサウナでなく、時間をかけてサウナ施設に行ったとき

「サウナの刺激に慣れると、ととのいずらい」と言われています。逆に言えば、いつもとは違う刺激があると、ととのいやすい。
取材で遠方のサウナ施設に行くと、やっぱりととのいを感じやすいです。都内では感じられない大自然を感じて、ここでしか入れないサウナや水風呂、空気に触れると「ととのった〜」と感じます。
ととのいたいと思っている方は、サウナや水風呂の温度差よりも、サウナ施設の環境や立地も意識してみるといいかもしれません。
②サウナの後に予定が入っていないとき

サウナ後に予定が入っていると、心のどこかに「緊張感」があって、なかなかリラックスできません。一方「あとは寝るだけ」のマインドでサウナに入ると、驚くほどに「ととのう」瞬間に出会えるときがあります。
「ととのい」は、単純に入り方だけでなく、さまざまな要因が合わさって訪れるものだと思います。
③伏流水や地下水などの”自然由来”の水風呂に入ったとき

水風呂が苦手な私は、いい水風呂に出会えたとき、ととのいを感じることが多いです。
キーンと冷たい水風呂よりも、水温も18~20度くらいで、チラー(冷却装置)を使わずに、自然由来の水風呂が特に好みです。こうしたいい水風呂に出会うと、「心地よさ」を実感しやすく、ととのいやすいのかも?と勝手に分析しています。
4.「ととのう」をゴールにせず「心地いい」をゴールにする

サウナを楽しむ上で、最も大切なのは「心地いい」と思えるかだと思っています。
決まった入り方やルーティンにとらわれず「心地いいな」と思えたら、わたしの中で最大限サウナを楽しんだ証拠。
- 「ここのサウナ室、温度がちょうどよくていいな〜」
- 「水風呂が冷たすぎなくていいな〜」
- 「外気浴スペース、清潔感があって、ゆっくりできるな〜」
こんな風に、「ととのう」をゴールにせず「心地いい」をゴールにすることで、セルフケアを楽しんでいます。
サウナを楽しむ方法は人それぞれですが、”自分自身”が心地いい入り方やルーティンが見つかると、もっともっとサウナが楽しくなると思いますよ!
ぜひ、ととのいに囚われずに、自分なりにサウナを楽しんでみてください。
参考文献
※加藤容崇著,『医師が教えるサウナの教科書』,ダイヤモンド社,2020年3月,200ページ