水質のちがいで「水風呂」の効果は変わる?

サウナにとって欠かせない「水風呂」。施設によっては「天然地下水を使用!」「ナノ水使用!」と魅力のひとつとして水風呂の水質をアピールしているところも多いですよね。そもそも「水質」によって水風呂の入り心地がどのくらい変化するのか、「水道水」と「地下水」だとどのくらい入り心地に変化があるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、水風呂の「水質」にフォーカスを当てながら、水風呂の効果についてまとめていきます!
【結論1】どの水風呂も「身体を冷やす効果」は一緒

大前提として、水風呂に入る一番の目的は「体温を下げること」です。
サウナで上昇した体温を一気に冷やすことで、血管がキュッと収縮して交感神経が活発になり、その後の休憩で副交感神経が優位に切り替わる——いわゆる「ととのう」状態へと導かれます。
そのため、水風呂が地下水であっても水道水であっても、基本的な「体温を下げる」効果には大きな差はありません。
実際、水道水でもしっかり冷却効果を得られる施設はたくさんあります!
ではなぜ、水風呂の「水質」に注目が集まるのでしょうか?
【結論2】水質がちがうと「肌触り」「水温」「満足感」に差が出る!

一言に「水風呂」とは言っても、天然地下水や軟水水風呂、冷鉱泉(源泉)、飲める水風呂(名水)など、実は種類はたくさんあります。
どれも「入水すれば身体を冷やせる」効果は同じですが、水質によって肌触り、水温、さらに満足度が異なると言われているんです。
① 肌触り

多くの方が「水質」のちがいを実感しやすいのが「肌触り」です。
日本の水道水は一般的に「軟水」(カルシウム・マグネシウムが少ない)に分類され、肌にやさしいと言われています。肌にまとわりつくような、やさしい肌触りが特徴です。(※施設によっては、水道水を軟水機に通すことで「超軟水」に仕上げているところも)
一方、地表よりも下を流れる「地下水」は、地層を通る過程でミネラルが自然に溶け込むため、やわらかく、まろやかな肌触りを実感しやすいです。もちろん地域や水源によって差はありますが、肌当たりの柔らかさは地下水の魅力といえます。
② 水温

次に違いを感じやすいのが「水温」です。
「水道水(軟水)」の水温は、季節によって変動しやすいと言われており、夏場は20度近く上昇することも。多くの施設では、水温の一定に保つためにチラー(冷却機)を用いています。
一方「地下水」は、年間を通して水温が比較的一定(15度前後)という特徴があり、安定した水風呂環境を保ちやすいと言われているんです。(※地表から汲み上げるときに、水温の変化が起こることもあります!「地下水=必ず冷たい」というわけではないです)
チラーを入れて水温を調整する施設もありますが、あえて機械を入れずに天然地下水をそのまま使用しているところも。キーンと冷たい水風呂も心地いいですが、個人的にはチラーを入れない地下水風呂の方が、まろやかな肌触りを実感しやすいです!
③ 満足感

水質の質がよくなれば、なるほど、それに比例して、サウナ浴への満足度も向上します。
水風呂に入る最大の目的は「身体を冷やすこと」ですが、水質がいいと心地よくクールダウンできるので「単に身体を冷やせた」ではなく「水風呂が気持ちよくて、さらにリラックスできた!」と実感できるからです。

天然の地下水や、「冷鉱泉(源泉)」を用いた水風呂は、「自然の恵み」を浴びているような特別感を実感できますし、その土地に湧き出る「名水」と呼ばれる水風呂に浸かる瞬間は、まさにその土地でしか出会えない特別な水風呂です。
もちろん、水道水の水風呂も心地いいですが、「満足度」という点では、自然から湧き出る「水」を使用している水風呂の方が大きいように感じます。
まとめ

地下水・水道水ともに、基本的な冷却効果は変わりません。
ただし、肌触り・水温の安定感・心理的な満足度といった面では、天然地下水や名水水風呂に魅力を感じる方の方が多いでしょう。
「水質」のちがいが分かるようになると、サウナの楽しみ方の幅も広がるはずです。次にサウナ施設を訪れたときは、掲示されている水質情報や水温にも注目してみると、また違った楽しみ方ができるかもしれません!