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サウナ後タバコを吸っても大丈夫?サウナ×タバコの健康リスク

サウナと健康

「サウナ後の一服がたまらない」そんな声を耳にしたことはありませんか?たしかに、サウナとタバコの組み合わせで、よりリラックスを味わえそうです。一方で「せっかく身体をととのえたのに、タバコで帳消しにするのはもったいない」という声も聞こえてきます。サウナ後のタバコは、身体にどんな影響をもたらすのでしょうか。今回は、サウナとタバコの相性について調べてみました。

目次

1. サウナ×タバコの健康リスクとは?

①タバコと健康

①タバコと健康

厚生労働省が公開している情報(※1)によれば、喫煙は以下の健康リスクを引き起こすとされています。

  • ・動脈硬化
  • ・心拍数の増加
  • ・血圧上昇
  • ・心筋の収縮
  • など
こうした健康リスクは肺がん・喉頭がん・胃がんなど「がんリスク」、心疾患・脳卒中などの「生活習慣病のリスク」、ニコチン依存症による「健康・生活リスク」に繋がります。
タバコの煙には、タール、ニコチン、一酸化炭素をはじめ、200種類以上の有害物質が含まれているといわれています。「タバコは身体に悪い」とされるのは、がんや生活習慣病、依存症などのリスクを高めるためです。

一方で、

  • リラックスできる
  • 集中力が上がる
  • 食欲が抑えられる
  • コミュニケーションのきっかけになる

など、タバコにメリットを感じている方も多くいます。

筆者の知人の喫煙者たちからも「タバコ休憩を挟むことで仕事のリズムがととのう」「タバコきっかけで仕事相手と仲良くなった」などの声をよく聞きます。

喫煙によってニコチンが脳に作用すると、快感や集中力の向上を感じることがあります。ただ、この作用はあくまで一時的なもので、長期的に考えれば健康リスクの方が大きいそうです。

兵庫医科大学病院が公開する情報(※)によれば、「ニコチンにはドーパミン分泌を促す作用があるものの、これは中枢神経系を刺激する『依存性の高い薬物』としての働き」であるとされています。気分転換やリラックスに見える効果も、”依存症の一種”ということです。



※1厚生労働省,e-ヘルスネット,「喫煙者本人の健康影響

※2兵庫医科大学病院,「ニコチン依存症」

②サウナと健康

②サウナと健康
  • ・血流改善
  • ・肉体疲労の回復
  • ・新陳代謝の活性化
  • ・自律神経の調整
  • ・ストレス軽減
  • ・脳疲労の解消
  • ・睡眠の質向上 など

サウナに入ることで期待できる健康効果は多岐にわたります。こうしてみると「サウナ=健康」と思えますが、あくまで正しく入浴した場合に限って得られるものです。

実際に「サウナは危険」と指摘する人もいます。

  • ・発汗による脱水症状
  • ・高温環境による熱中症
  • ・ヒートショックによる心筋梗塞
  • ・ヒートショックによる脳梗塞
  • ・転倒によるけが
  • など

「サウナは健康効果が高い」といわれる一方で、間違った入り方をすれば危険を伴うということも覚えておきたいところです。

2.【結論】サウナ×タバコ、正直相性がいいとはいえない

2.【結論】サウナ×タバコ、正直相性がいいとはいえない

結論から言えば、サウナとタバコは相性が良いとはいえません。サウナによる健康効果を打ち消してしまうことが、主な理由です。

サウナに入ると体温が上昇し、血流が良くなります。これは、体内に溜まった疲労物質の回収が進み、身体のすみずみに新鮮な酸素と栄養が行き渡るということ。「健康=血流が良いこと」と言われるほど、血流を良くすることは重要なんですね。

「サウナが身体にいい」とされる大きな理由も、この血流改善です。

では、サウナ後にタバコを吸うとどうなるのでしょうか。

タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、血管を収縮させる作用があります。そのほか、心拍数の増加、血圧上昇、心筋の収縮といった作用があるため、サウナで健康な状態に近づいた身体を、また元の状態に引き戻してしまうともいえてしまうんです。

心臓や血管に負担がかかると、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるとされています。また、呼吸器が温まり開いている状態で煙を吸うと、気道への刺激も強く、咳や炎症につながるおそれも。

タバコそのものを否定するつもりはありませんが、「サウナ×タバコ」という組み合わせで考えると、あまり良い効果は期待できないと言えそうです。

3. なぜサウナ後にタバコを吸いたくなってしまうのか?

3. なぜサウナ後にタバコを吸いたくなってしまうのか?

「サウナとタバコは相性が良くない」と言われても、喫煙者にとっては「サウナ後のタバコはおいしいから吸いたくなる」と感じる方も多いでしょう。

では、なぜサウナ後にタバコを吸いたくなるのでしょうか。大きな理由として考えられるのが、サウナによるリラックス効果とホルモン分泌です。

ある心理学学士のブログ(※)によると、サウナによって、エンドルフィンやセロトニン、オキシトシンといった「幸福ホルモン」が分泌され、気分の高揚やリラックス効果が得られるとか。このリラックス状態や快感の高まりが、喫煙者にとってタバコを吸いたくなる要因になっているという見解です。

快感のピークを感じているとき、脳はさらに強い刺激を求める傾向があります。喫煙者にとっては「タバコ=手っ取り早い快感刺激」となり、自然と喫煙欲求が高まってしまうのです。

サウナ後のタバコが「毎回のご褒美」になっている人は、「サウナ=タバコ」というトリガー(きっかけ)になっている場合も。いわゆる条件反射であり、身体が「サウナのあとはタバコの時間だ」と覚えてしまっているのです。

 


ホリスティックコーチング,「サウナとメンタルヘルス

4. どうしてもサウナ後にタバコを吸いたいときは?

4. どうしてもサウナ後にタバコを吸いたいときは?

サウナ後の一服が「至福の時間」と感じる人にとって、いきなりやめるのは簡単ではないかもしれません。そんなときは、以下のような工夫で少しずつリスクを軽減していくことをおすすめします!

  1. たっぷり水分補給してからタバコタイムへ

    大量の汗をかくサウナ後はやや脱水気味で、血圧が不安定になりやすい状態。そこへニコチンが加わってしまうと、心臓や血管にさらに負担を与えてしまいます。サウナ後は、こまめに水分補給を行い、30分ほど休憩して身体を落ち着かせてから喫煙しましょう。
  2. 「まずは一服」の時間を少し遅らせる

    サウナ直後の喫煙は、急激な血管収縮のリスクがあります。体温と心拍数を落ち着かせるためにも、すぐにタバコを吸うのではなく、30分程度ゆったり休憩したタイミングで吸うようにしましょう。サウナ直後は心身ともにリラックスしている状態です。ぜひその余韻を感じてみてください。
  3. タバコの代わりに「ニコチンゼロ」製品をチョイス

    「身体の負担が気になるけどタバコは吸いたい」もちろん無理にやめる必要がありませんが、サウナ後だけニコチンゼロの製品をチョイスするのもおすすめ。もちろん「吸わない」という選択は難しいかと思いますが、罪悪感が減るのと同時に、身体への負担も軽減できます。

5. サウナとタバコ。健康に気を遣っているなら慎重になってもいいかも

5. サウナとタバコ。健康に気を遣っているなら慎重になってもいいかも

サウナとタバコ。休息・リラックスにぴったりな両者は相性も良さそうです。ただ、健康へのリスク・身体への影響を考えると、サウナ後のタバコは慎重になるべきかもしれません。

健康意識を高めたい方、心身をととのえたい方にとっては、サウナの健康効果よりも、タバコのリスクの方が高くなる可能性があります。

ただ、「タバコを完全にやめる」という選択はそう簡単ではありませんよね。まずは、「サウナ後にタバコを吸うまでの時間を長くしてみる」「サウナ後は少しだけタバコを控えてみる」などできることからはじめてみるといいかもしれません。

参考

参考: e-ヘルスネット「喫煙と循環器疾患」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/tobacco/t-03-002
この記事を書いた人
ライター・はせがわみき
はせがわみきhttps://twitter.com/hamigaki_write
フリーランスライター・社会人になりたての頃、会社の先輩からすすめられた「サ道」を読んだことがきっかけでサウナへどっぷりはまる。サウナは歴8年。サウナスパ健康アドバイザー資格保持。好きが高じて、現在はサウナ施設・銭湯への取材・レポート記事をメインに手がける。好きなサウナは中温・高湿度。好きな水風呂は、ぬるめの18度。
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