サウナでデトックスはうそ?汗を出しきる「落汗減量」のメリット・デメリットとは
「サウナは大量に汗をかくからデトックスできる」そんな風にイメージする方は多いですよね。実際のところ、サウナに入ることはデトックス(=体内の毒素を排出する)につながるのでしょうか?また、汗を出しきる「落汗減量(らくかんげんりょう)」のメリット・デメリットもあわせて紹介します。
- 目次
1.そもそも汗をかくって何がいいの?
「汗をかく=デトックス」のイメージがありますが、そもそも汗をかくことにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
・体温が調整される
発汗によって体温の調整を行うことは、発汗の大きな役割のひとつ。
熱中症予防にも大きく役立ちます。夏バテや熱中症、季節の変わり目に風邪をひく…などの症状は、体内の体温調整機能が鈍っているからなんて話も。
サウナに入り、暑い・寒いをくり返すことで、強制的に「体本来の機能を呼び覚ます効果」が期待できると言われています。
・肌を保湿する
汗には肌を潤す保湿成分が含まれており、肌を保湿してくれる効果もあるんです。
また、汗をかくことで肌の表面の汚れやニオイを洗い流してくれる効果も期待できます。
・新陳代謝が活性化する
新陳代謝とは、古いものが新しいものへ入れ替わること。発汗により体温が上がることで、全身の血行が良くなり新陳代謝が活発になります。
その結果、古いものが新しいものへと入れ替わる力も促進されるため、体内の老廃物や老廃物の排出が高まるのです。
つまり、「汗が出る=毒素が排出される」ではなく「汗が出るほど体温が上昇した結果、老廃物の排出が高まる」というのが正しい見解。
汗をたくさんかくこと自体が、デトックスになるわけではありません。
ちなみに毒素や老廃物は、尿や便とともに排出されます。汗にふくまれる毒素や老廃物は、本当にごく少量と言われています。
・免疫力が向上する
免疫力とは、細菌やウイルスなどの「病原体」が体内に侵入するのを防ぐ・排除する働きのこと。
免疫細胞は、血液の流れにのって全身をめぐり細菌、ウィルスの侵入をパトロールしています。つまり、サウナに入り体温を上昇させることで、免疫細胞の動きを活性化することにつながります。
反対に血行が悪くなると、免疫細胞のパトロール機能も低下してしまうため、体調不良や病気などにつながりやすくなるので要注意です。
2.汗を出しきることが目的!「落汗減量」のメリット・デメリット
汗をかくことはあらゆる健康効果につながることが分かりました。
最近では、リフレッシュやダイエット目的で、とにかく汗を出す「落汗減量(らくかんげんりょう)」を目的にサウナに入る方もいるようです。
落汗減量には、どのようなメリットとデメリットがあるのかご紹介します。
①落汗減量の入り方
(1)湯船でよく身体を温める
(2)サウナに10分〜15分ほど入る
※90度ほどのサウナがおすすめ
(3)ゆっくり休憩する(適宜)
※水風呂に入らない
(4)(1)よりも短めの8分〜12分ほどサウナに入る
(5)徐々にサウナに入る時間を短くしながら3~4セットくり返す
②落汗減量のメリット
・一時的に体重が減る
・汗をかくことでカロリー消費になる
・代謝が活発になる
・汗がたくさん出てリフレッシュになる
体内の水分の十分に出し切ることで、一時的な体重調整に向いているのが落汗減量です。
③落汗減量デメリット
・脱水症状に気をつける必要がある
・血圧が上がりやすくなる
(高血圧の人はNG)
・体重は一時的に減るがすぐに元に戻る
・熱いサウナになれるのに時間がかかる
熱いサウナにくり返し入るため、一番注意したいのが脱水症状。「体重を減らしたいから」と水分補給をおこたると、危険な状態になる可能性も。
デメリット・正しい入り方を十分理解したうえで、試してほしい入浴方法です。
3.リラックスが目的!温冷交代浴のメリット・デメリット
汗を出しきる「落汗減量」にくらべて、「リラックス」を目的とするのがサウナ・水風呂・休憩をくり返えす「温冷交代浴」です。
「落汗減量」に比べてどのようなメリット・デメリットがあるのか紹介します。
①温冷交代浴の入り方
(1)サウナに8分〜12分ほど入る
※90度ほどのサウナがおすすめ
(2)水風呂に30秒〜1分程度はいる
※冷水シャワーでも可
(3)ゆっくり休憩する(適宜)
(4)2〜3セットくり返す
いわゆる「ととのう」入り方です。あらゆる健康効果が期待できますが、リラックス目的やストレス解消なども期待できます。
②温冷交代浴のメリット
・疲労回復
・血行促進
・肩こり腰痛が軽減
・メンタル回復
・新陳代謝の活性化
・睡眠障害の解消
③温冷交代浴のデメリット
・脱水症状に注意が必要
・入浴に時間が必要
・代謝は上がるがすぐには痩せない
(ダイエットには時間が必要)
4.まとめ
・「サウナでデトックスできる」と言われるのは、血行促進・新陳代謝が活性化されることで、老廃物・毒素の排出が進むから
・「汗をかく=デトックスできた」ではない
汗を出しきる「落汗減量」の入り方も合わせて紹介しましたが、正しく入ることが求められる入浴方法です。
脱水症状や体調の変化に気をつけながら、ぜひ発汗によるリフレッシュを楽しんでください。
参考文献
・『サウナスパ・健康アドバイザー公式テキスト 知っておきたいサウナスパの健康知識』,公益社団法人日本サウナスパ協会発行,2014年3月,18-19ページ,26-27ページ,28-29ページ