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サウナでととのえなくなった。「ととのいイップス」の原因と解説策おしえます

サウナコラム

最近、以前のようにととのえない……。それはズバリ「ととのいイップス」かもしれません。なぜととのえないのか、以前のようにととのう方法はあるのか、気になりますよね。今回は、ベテランサウナーになればなるほど、おちいりやすい「ととのいイップス」について解説します。

目次

1.あなたが「ととのわない」理由と解決策

①1セット目から上段に座っている

①1セット目から上段に座っている

最近ととのわなくなったなぁ……と感じるあなた。1セット目から、サウナ室の上段に座っていませんか?

「ととのう」ためには、自律神経の「交感神経」と「副交感神経」それぞれに刺激をあたえることが大切だと言われています。

サウナと水風呂で、活動モードで優位になる「交感神経」を高めることで、リラックス時に優位になる「副交感神経」への反動が大きくなり、身体はとてもリラックスしているけど、意識は鮮明でクリアな状態(=ととのい状態)へと導くことができるからです。

「じゃあやっぱり、最初から上段に座って身体に刺激を与えた方がいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。ですが、それは大きな間違い。

最初から上段に座ってしまうと、心拍数が急上昇してしまい、2セット目、3セット目に入る頃には身体が疲れを感じてしまうため、結果として「なかなかととのえない」ことになりかねないからです。

【解決策】

・最初から飛ばしすぎず、徐々に身体を温める
・1セット目は下段からスタート。2セット目、3セット目で徐々に上段へ

②水風呂に入る時間が短い

②水風呂に入る時間が短い

「サウナも水風呂もしっかり入っているのにととのえない……」という方。もしかすると、水風呂に入る時間が短すぎるのかもしれません。(長すぎるのも危険)

筆者であるわたくし、サウナ歴は長いですが、いまだに水風呂が苦手。自分の体調や水風呂の温度によっては、入る日もあれば、入らない日もありまます。

でもやっぱり「今日はととのなったな〜」を感じる時は、決まって”心地いい水風呂”に浸かったときなんです。

水風呂に入る目安の時間は20秒〜1分程度と言われています。気道がスーッとしはじめたら、水風呂から出る合図。これは、冷えた血液が全身を一周した証拠なんだそうです。(もちろん無理は禁物!)

ただし「水風呂が気持ちいい」「水風呂に浸かりたい」と感じる身体に仕上げるためには、サウナで深部まで身体を温める必要があります。サウナだけで身体が温まらないひとは、ぜひ湯船も活用してみてください。

【解決策】

・水風呂に20秒〜1分浸かる(ただし無理は禁物)
・水風呂に入れないのは、サウナで深部まで身体が温まっていない証拠。時間をかけてサウナに入る+湯船を活用して、水風呂に入る時間を調整してみる

③休憩の時間が短い

③休憩の時間が短い

サウナと水風呂で高めた交感神経、休憩(外気浴)でしっかり副交感神経へと移行できていますか?

サクッと、ととのいたいがゆえに休憩時間をおざなりにしてしまうと、なかなかととのえません。

ととのうために必要なのは、ギャップ。

サウナと水風呂で交感神経を高めて、危機的状態にあった身体が休憩すると、身体が安堵し、一気に交感神経→副交感神経優位になります。直前まで危機的状態だった身体が一気にリラックスモードへ切り替わる……これは、日常生活ではなかなか到達できないリラックス状態だそうです。

危機的状態と極限リラックス。これがととのうために必要な「ギャップ」。休憩の時間が短いとリラックスできないため、身体の負荷がリセットされず「ととのえない」という結果になってしまうんです。

【解決策】

・10分〜15分程度休憩時間を設ける
・横になって休憩すると副交感神経が優位になりやすい

④サウナの刺激に身体が慣れてきた

④サウナの刺激に身体が慣れてきた

実は、ベテランサウナーになればなるほど、ととのいずらくなると言われています。

ここまで、ととのうためには「交感神経」と「副交感神経」のそれぞれに刺激を与える必要があることをお伝えしました。

サウナによる温冷交代浴(サウナの「熱い」⇔水風呂の「冷たい」)は、自律神経に適度な刺激を与え、全身を血行を良くする効果が期待できます。つまり、日頃からサウナに通い、乱れがちな自律神経をととのえている人=「サウナの刺激に慣れている人」ということ。

最近ととのいにくくなったのは、「サウナで自律神経が鍛えられた証(=刺激に動じなくなった)」とも言い換えられます。

【解決策】

・いつもとは違うサウナ施設へ行ってみる(いつもとは違う刺激)
・大自然を感じるサウナへ行ってみる(自然の中でディープリラックスへ)
・ととのうにとらわれすぎず、サウナを楽しむ(心地よさを感じるだけでも十分心身は「ととのう」)

※刺激を求めて、灼熱のサウナにキンキンの水風呂に入るのは危険。ととのわなくなったその先にある、自分なりの「サ道」を極めるのも、サウナの楽しみ方。

2.「ととのう」にとらわれすぎない

2.「ととのう」にとらわれすぎない

「ととのう」ことにとらわれず、サウナを楽しむ。実はこれこそ「究極のととのい」なのでは?と感じています。

わたし自身、ここ数年、大きく「ととのった〜〜!!!」と感じることは少なくなってきました。おそらくサウナによって自律神経が鍛えられ、サウナによる刺激に身体が慣れてきたからだと思います。

ただし、「ととのわない」からといってサウナに行くことをやめようと思ったことも、ととのわないことを気に病んだこともありません。

「サウナ依存症」という言葉があります。サウナによる刺激を求めすぎるがゆえに、日常生活の意欲が低下してしまうというものです。

本来サウナは「ととのう」ためのものではなく、健康的な身体と心を手にいれるために入るものです

サウナで身体をあたため、水風呂で冷やし、休憩し、全身の血流が良くなることで、疲労回復効果につながったり、リフレッシュ効果が期待できたり。

ととのうために入るのではなく、健やかな身体と心を保つために入る。そんな意識でサウナを続けていると「こんな気持ちいいサウナや水風呂があったのか〜〜!」なんて出会いがめぐってきて、ガツンとととえる日がやってきます。(わたしがそうでした)

「ととのいイップス」に気に病む必要はないんです。ぜひみなさんも、「ととのう」にとらわれすぎず、健康な身体と心を目指して、サウナを楽しんでいきましょう。

参考文献

参考記事

『サウナで絶対NGの「ととのわない行動」ワースト1』,ダイヤモンドオンライン

・『「熟練サウナーほど、ととのいにくくなる」説の真偽とは?,ダイヤモンドオンライン

参考文献

・加藤容崇著,医者が教える 究極にととのう サウナ大全,ダイヤモンド社,20237,106ページ

 

この記事を書いた人
ライター・はせがわみき
はせがわみきhttps://twitter.com/hamigaki_write
フリーランスライター・社会人になりたての頃、会社の先輩からすすめられた「サ道」を読んだことがきっかけでサウナへどっぷりはまる。サウナは歴8年。サウナスパ健康アドバイザー資格保持。好きが高じて、現在はサウナ施設・銭湯への取材・レポート記事をメインに手がける。好きなサウナは中温・高湿度。好きな水風呂は、ぬるめの18度。
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