水風呂は何分入るのがベスト?水風呂の効果について調べてみました
「冷たくて水風呂に入れない」と、水風呂に苦手意識がある方は多いですよね。そもそも、水風呂はどのくらい入るべきなのか、水風呂に入らなくてもいいのか…「水風呂」について理解を深めたい方も多いと思います!
そこで今回は、水風呂にまつわる疑問をまとめて、解説していきます!
- 目次
1.水風呂は何分入るのがベスト?
「水風呂から出るのは気管がスースーしたタイミング」とよく聞きませんか?時間でいうと「1分程度浸かる」のがベストと言われています。
実はこれ、しっかり根拠があるんです。サウナで温まると「温熱効果」により身体の血管が拡張され、あたたまった血液が体内をめぐりはじめます。その後水風呂に入ると、血管は収縮され、冷やされた血液が体内をめぐります。この冷やされた血液が全身を回るのが「およそ1分程度」と言われているんです。
ただしこれはあくまでも目安の時間。キンキンに冷えた水風呂に無理に浸かるのは危険です。身体の深部まで冷やされてしまい、血圧も急上昇してしまいます。
水風呂は決して無理して入らないこと、時間はあくまで自分の身体と相談することが大切です。
2.水風呂のベスト温度とは?
世の中のサウナ施設には「グルシン」と呼ばれる一桁水風呂、ほどよく冷やされた水風呂、ちょっとぬるめの水風呂などなど……さまざまな水風呂がありますよね。結局、身体にとってベストな水温って何度なんだろう?と疑問に感じる方も多いかもしれません。
サウナドクターと呼ばれる加藤容崇氏の著書『医師が教えるサウナの教科書』の中にこんな記述があります。
水風呂の温度は16〜17度付近が最適(※)
なぜ、16〜17度が最適かというと、人がギリギリ痛みを感じない低温度が16〜17度付近だからです。
ただ、わたし個人的にこの「16〜17度」はあくまでひとつの目安にすぎないと考えています。どのサウナ施設も、サウナとのバランスを見て、水風呂の水温を設定しているからです。例えば、サウナはアツアツ100度、にもかかわらず水風呂はぬるめの20度……この設定だと「ちょっと物足りなさ」を感じる方は多いのではないでしょうか?
16〜17度はあくまで一つの基準として考え、16度より低い水風呂は入る時間を短くする、17度より高めなら少し長めに水風呂に浸かる……なんて目安として考えるのもおすすめです。
サウナと同じく、水風呂の好みの温度も別れやすいところ。自分のベスト温度を見つけるのもいいと思います。
※引用元:加藤容崇著,『医師が教えるサウナの教科書』,ダイヤモンド社,2020年3月,90ページ
3.水風呂に入るとどんな効果が期待できる?
そもそも水風呂に入ると、どんな効果が期待できるのか気になりますよね。ここでは「血流改善」「自律神経」の2つに注目し、水風呂の効果について解説します!
3-①.血流改善
サウナで温まった身体の血管は「拡張」され、水風呂に入ると血管は「収縮」されます。短時間で、血管の拡張・収縮がなされることで、血流の流れがスムーズになり「血流改善」が期待できるんです。
「血流がいいこと」それは、わたしたちの身体において最も大切なことです。なぜなら血液は、全身の臓器に新鮮な酸素を送り、そして老廃物を回収するという役割を担っているから。血流が滞ると、臓器に新鮮な酸素が送られず、疲労は蓄積される一方。「健康」とはほど遠いですよね。
もちろん、サウナに入るだけで血行促進が期待できますが、プラスで水風呂に入ることで、血管を鍛えあげ、健康な体に近づけることができます。ただし、サウナ⇔水風呂の温度差によって体調不良を引き起こすこともあるので、注意が必要です。
3-②.自律神経が整う
「自律神経のバランスをととのえる」ことも、水風呂によって期待できる効果のひとつです。自律神経とは、わたしたちの意思とは関係のなく、無意識下で働き続ける神経のことで、血管や内臓組織のコントロールを行いながら「生命活動を維持する」ための役割を担っています。
自律神経は、活動時に優位になる「交感神経」とリラックス時に優位になる「副交感神経」、この2つがバランスよく活動することが大切です。ストレス社会と言われる現代。日々あらゆるストレスにさらされるわたし達の身体は、緊張状態が長く続いています。緊張が長く続くことで、うまく身体がリラックスできず、自律神経のバランスが保てなくなってしまうのです。
ここで登場するのがサウナと水風呂です!
サウナ、水風呂、そして休憩。急激な温度差と休憩によって、交感神経と副交感神経を強制的に振れ幅を大きく動し、自律神経のバランスをととのいやすくしてくれるんです。
4.苦手な水風呂にスムーズに入るコツ
あらゆる効果が期待できる水風呂。サウナは好きだけど、なかなか水風呂は好きになれない……。そんな方は多いですよね。
そんな方におすすめしたいのが、
①息をふ〜っと吐きながら入る
②手のひらを水に浸けない
③水風呂のなかで動かない
この3点です。
よく息を止めて水風呂に入る人がいますが、心臓への負担が大きくなり逆効果です。息をふ〜っと吐きながら浸かることで、息を止めるよりも入りやすくなります。
また、手のひらは実はとても温度に敏感な部分。手のひらから水風呂に浸かってしまうと、身体が冷えを感じやすく水風呂への苦手意識が高まります。水風呂が苦手な人は全身を水に浸けた後も、手首から上は水につけないことがおすすめです。
そして最後は「動かない」こと。「羽衣」と呼ばれる「温度境界線」の薄い膜ができると、水風呂のなかでも不思議と冷たさを感じません。ただし羽衣は非常に繊細。水流・人の動きで簡単に壊れてしまいます。もしも羽衣ができたと思ったら、じっと動かず、水風呂の心地よさをぜひ体感してみてください。
5.そもそも水風呂って絶対入るべき……?
水風呂に入る時間や効果について解説しました。
ちなみに、LOCA THE CLASS. AOYAMAの水風呂の温度設定は15度ほど。富士山の溶岩石を使い水道水を濾過する「地層式濾過装置」を用いており、富士山の天然水に近いとろみある上質な水風呂に入ることができます。やさしい肌触りの水風呂なので。初心者にもおすすめです。
「そもそも水風呂は絶対に入るべきなのか」と思っている方も多いと思いますが、水風呂は決して無理して入るべきものではありません。サウナは無理なく楽しむのがベスト。
水風呂に入らずとも、サウナ→ぬるめのシャワー→休憩をくり返すことで、ゆるやかな温冷交代浴が可能です。ぜひ試してみてください。
参考文献
・早坂 信哉 監修,『名医がやっている 正しいサウナの入り方』,宝島社,2023年7月,18ページ
・加藤容崇著,『医師が教えるサウナの教科書』,ダイヤモンド社,2020年3月,86-95ページ