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「二日酔いはサウナで抜ける」は迷信!飲酒後サウナの危険性

サウナコラム

「サウナに入るとアルコールが抜ける」お酒好きの方なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?結論から言うと、サウナに入ってもアルコールは抜けません!それどころか、体に大きな負担をかけ、体調不良につながる可能性があるのです。

一体なぜ、サウナに入るとアルコールが抜けるという迷信が伝わったのでしょうか。その点を考察しつつ、飲酒後のサウナが危険な理由を解説します。

目次

1. 迷信「サウナに入るとアルコールが抜ける」が広まった理由

飲酒後のサウナは危険なはずなのに、なぜ「サウナに入るとアルコールが抜ける」という迷信が伝わっているのでしょうか?

① 「サウナで汗をかく=毒素がデトックスされる」の勘違い

① 「サウナで汗をかく=毒素がデトックスされる」の勘違い

汗をかく=身体から毒素が排出される、そんなイメージがありますよね。

そう、この勘違いこそ「サウナでアルコールが抜ける」といったまちがった迷信が伝わった理由だと考えられます。

古くから入浴文化が根付く日本では、発汗=健康というイメージがあります。そのため「二日酔いでも、汗をかけば健康になれる」といった感覚が伝わったのかもしれません。

実際は、アルコールの代謝は 肝臓が100%担っており、汗や尿から排出される量はごくごくわずか。サウナで汗をかいても、汗からアルコールが抜けることはありません。

サウナ=アルコールが抜けるというイメージは幻想なのです…。

② サウナに入ると一時的にスッキリしてしまう

② サウナに入ると一時的にスッキリしてしまう

実は、二日酔いの状態でサウナに入ると、一時的にスッキリした感覚を味わえてしまいます。

なぜサウナに入ると、一時的に身体がすっきりしたように感じるのか。それは、サウナで全身の血流が促進されるためです。

サウナに入ると体温が上がり、血流が改善されます。高温環境によって「交感神経」が刺激されると、その反動で休憩時には「副交感神経」が優位になります。身体がリラックス状態へと切り替わると、吐き気やだるさが一時的にすっきりしたように感じてしまうのです。

また、サウナに入ると「エンドルフィン」や「ドーパミン」など、幸せホルモンが分泌されることが分かっています。

ホルモンが分泌されると、幸福感や多幸感が高まり、一時的に体調が良くなったと勘違いしてしまうのです。実際は、アルコールの分解が進んでいるわけではない…ここがこわいところですよね。

③ たくさん汗が出る=アルコールが抜けたと勘違いしやすい

③ たくさん汗が出る=アルコールが抜けたと勘違いしやすい

サウナに入ると身体の体温が上昇し、発汗作用が高まります。

目に見えて自分が汗をかいていることが実感できるサウナだからこそ、体内に残ったアルコールが抜けていくように感じられる…といった勘違いが生まれやすいのです。

くり返しになりますが、汗をかく=肝臓によるアルコール分解にはほとんど影響しません。こうした感覚的な勘違いが、「サウナに入るとお酒が抜ける」という迷信を広めてしまったのかもしれませんね。

2. 二日酔いのサウナがだいぶ危険な理由

ここまでは、なぜ「二日酔いにはサウナ」という間違った迷信が広まってしまったのか考察してみました。

もしかしたら、思い当たる節がある…という方もいるかも知れませんね。ここからは、具体的になぜ「二日酔い後のサウナが危険」なのかを解説していきます!

①脱水リスクが高まる

アルコールには利尿作用があるのは有名は話。アルコールを摂取するとトイレが近くなりますよね。

そう「二日酔い」は、すでに体内の水分が不足している状態。そこでサウナに入ると、さらに脱水が進み、めまいや失神などの体調不良につながることがあります。

また、強い脱水は血液が濃くなることで“血栓ができやすい状態になる”と指摘されることもあり、脳や心臓のトラブルにつながる可能性も否定できません。

②血圧・心拍への負荷がかかる

アルコールを摂取すると血管が拡張され、血圧が低下し、心拍数は上昇します。実はサウナに入っても同じことが起こります。

  • アルコール摂取
  • 血管拡張
  • 血圧が下がる→ 心拍が上昇(心臓に負荷)
  • アルコールが残った状態でサウナ
  • 高温でさらに血管拡張
  • さらに 心拍上昇(心臓の負担が倍増)

飲酒後のサウナは、心臓や血圧に負担がかかりやすいと言われています。

高血圧や心疾患のある方はもちろんのこと、普段健康な人でも、動悸やめまいなどのトラブルが起きるケースがあるため注意が必要です。

③体温調節がうまくいかない

アルコールが入った状態の身体は、発汗や血流のコントロール、脳の体温感知機能が正常に機能しないという可能性もあります。

仮にサウナに入っても、体温調整がうまく行われず、熱中症や体調不良につながってしまうのです。

④むしろ二日酔いが悪化する

頭痛、胸焼け、疲労感…。二日酔いの不快感から早く脱したい!と思う方は多いはず。

サウナに入ると一時的に、倦怠感や頭痛がすっきりするケースもありますが、あくまで体感の問題。

実際はサウナに入ったことで、脱水・電解質不足が進行し、かえって二日酔いの回復が遅れる・悪化することもあるのです。本末転倒ですね!

3. 飲酒後のサウナ。どのくらい時間をあけたらいいの?

3. 飲酒後のサウナ。どのくらい時間をあけたらいいの?

・飲酒後のサウナはNG

「じゃあ、飲酒後にどのくらい時間を空けたらサウナに入っていいの?」

そんな風に思う方もいるかも知れませんが、根本的に、飲酒したあとにサウナに入ることは危険なので控えましょう。

・脱水

・心臓負荷

・熱中症の危険

・体調不良

こういった危険性が高まるほか、浴室でのふらつきが原因で転倒、出血など、あらゆるリスクが高まります。

・どのくらい時間をあけるべき?

それでもどうしてもサウナに入りたい…そういった方は必ず1〜2時間程度食休みと十分な水分補給を行ってください。ただし、本当に自己責任です!

また、アルコールの摂取量にもよってくるので、基本的に飲酒後のサウナはNGで統一しましょう。車の運転と一緒です!

4. サウナに入っても二日酔いは治りません!

4. サウナに入っても二日酔いは治りません!

サウナで感じるスッキリ感は、血流改善や自律神経調整、ホルモン分泌、汗による軽さ感覚によるもの。

サウナに入ったところで、アルコールの分解は進みません。

そもそも二日酔いは、アルコールの分解時に出る「アセトアルデヒド」が体内に溜まってしまうために起こること。

二日酔いの際は、

①スポーツ飲料を摂取して、水分・電解質を補給する

②肝臓の働きを助けるアミノ酸・ビタミンBを摂取する (おかゆやうどん、トマト、豆腐や納豆など)

③十分に休息し、身体を回復に集中させる

こういったことが大切です!

二日酔いを治すのにサウナはむしろ逆効果!覚えておいてくださいね。

この記事を書いた人
ライター・はせがわみき
はせがわみきhttps://twitter.com/hamigaki_write
フリーランスライター・社会人になりたての頃、会社の先輩からすすめられた「サ道」を読んだことがきっかけでサウナへどっぷりはまる。サウナは歴8年。サウナスパ健康アドバイザー資格保持。好きが高じて、現在はサウナ施設・銭湯への取材・レポート記事をメインに手がける。好きなサウナは中温・高湿度。好きな水風呂は、ぬるめの18度。
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