関節痛・腰痛などのリハビリにサウナはきく?
サウナコラムひざや股関節の関節痛、腰痛、肩こりなどの現代病…。悪化すれば通院や手術、リハビリなどが必要になりますよね。「サウナは腰痛や関節の痛みを和らげる」という話もよく聞きますが、リハビリ中はどのような効果が期待できるのでしょうか。今回は、リハビリとサウナの関係について調べてみました。
【結論】サウナはリハビリの「補助」でしかない
結論からお伝えすると、サウナはリハビリの「代わり」ではなく、あくまで「補助」として考えるべき存在。また、必ず医師に相談したうえで判断することが重要になります。
理由としては、サウナで身体が温まると炎症部分の血流が増加し、かえって症状が悪化する可能性もあるからです。
とはいえ、サウナはリハビリの補助としては大きな効果を発揮してくれる場合があります。
サウナの温熱効果(身体を温める)によって筋肉の緊張・こわばりを解消し、痛みの改善が期待できるからです。その結果、身体を支える関節への負担を軽減することができ、痛みを和らげることも。
サウナがリハビリの補助として役立つ理由は、大きく分けて次の3つが考えられます。
①血流がよくなる
- ・温まることで血管が広がる
- ・筋肉・関節周囲の血流改善
- ・こわばりが取れ、動かしやすくなる
②筋緊張がゆるむ
- ・ケガや痛み → 無意識に力が入る
- ・温熱で緊張がゆるみ痛み軽減
③痛みの感じ方が和らぐ
- ・自律神経への作用でメンタルケア
- ・リラックス効果で「つらさ」が軽減
サウナはいいけど「水風呂はだめ」という可能性も
ここまでは、サウナによる温熱効果を中心に、サウナとリハビリの関係について調べてみました。
次に気になるのは「水風呂に入ってもいいのか」問題ですよね。くわしくみていきましょう!
①水風呂の効果
まずは水風呂についてのおさらいです。
一般的に水風呂に入ると、以下のような効果が期待できます。
- ・サウナによって上昇した体温をクールダウンさせる
- ・一時的に血管を収縮させ、その後の血行促進が期待される
- ・交感神経を刺激する
- ・体温調節機能を刺激する
- ・冷却による爽快感を得やすい
②リハビリ中の水風呂あり・なし?
水風呂には、クールダウンや爽快感といったメリットがあります。ただし、リハビリ中の体にとっては刺激が強すぎる場合があるのも事実です。
水風呂に入ると、体が冷やされ血管が収縮するため
- ・筋肉がこわばりやすくなる
- ・血流が一時的に下がる
- ・痛みや違和感が出やすくなる
といった影響が出ることがあるためです。
もちろん、水風呂自体が悪いわけではありません。
ただ、リハビリ中の体にとっては刺激が強すぎる場合もあり、サウナの温熱効果はプラスでも、水風呂は控えたほうがいいケースは少なくありません。
サウナと同様、水風呂も医師への相談が必須なんですよね。
③水風呂の代わりにおすすめのクールダウン方法
とはいえ、水風呂なしだと物足りないと感じる方もいますよね。そこでここでは、刺激の少ないクールダウン方法をご紹介します。
①サウナ→そのまま外気浴
正直、水風呂なしでもサウナ後の休憩は心地いいものです。時間をかけてゆっくりクールダウンすると、水風呂ありとはまた違った感覚が楽しめると思います。
②ぬるめのシャワーを浴びる
水シャワーではなく、37度前後のぬるめのシャワーも効果的です。水風呂の代わりに、ぬるめの炭酸泉に浸かるのもいいですよ。
リハビリ中は、ぜひ「一気に冷やす」よりも、ゆっくり熱を逃がすことを意識してみてください。
リハビリ中のサウナは必ず医師に相談しよう!
リハビリ中にサウナを取り入れたい方は、必ず医師への入浴の許可、注意事項の確認を済ませておきましょう。
- ・そもそもサウナ入浴が可能か
- ・サウナの頻度や時間の目安/注意事項はあるか。
- ・水風呂に入ってもいいか
- ・水風呂の頻度や時間/注意事項はあるか
など、細かい注意事項まで確認できると安心です。
長期戦で気が滅入りやすいリハビリ。もしもサウナOKが出たならば、ととのうことよりも、ぜひとも身体を温める「リラックス」に意識を向けて、上手にサウナを活用してくださいね。
参考文献
・『サウナ・スパ プロフェッショナル公式テキスト 管理士のためのサウナ・スパ専門知識』,公益社団法人日本サウナスパ協会発行,2019年7月,47ページ
・早坂 信哉 監修,『名医がやっている 正しいサウナの入り方』,宝島社,2023年7月,12-13ページ,34ページ,40-41ページ,44-45ページ,48-49ページ
・早坂 信哉 監修,『心と体に効く究極の入浴医学 銭湯検定公式テキスト2』,株式会社草隆社,2020年5月,11-12ページ


