サウナはどのくらいカロリー消費する?サウナで太りにくい身体をつくろう
大量の発汗が期待できるサウナ。運動と同じくカロリー消費にも向いていそうな気がしますよね。実際のところ、サウナに入るとどのくらいのカロリーが消費できるのでしょうか。また、サウナに入ると「痩せる」「痩せない」と両極端な意見も聞こえてきますが、どちらの意見が正しいのでしょうか。今回はそんなサウナとカロリーの関係を紐解きます!
- 目次
1.サウナで消費できるカロリーは意外と少ない
・他サイトで消費カロリーを調査
サウナで消費できるカロリーについて調べてみると、
アメリカのミズーリ大学の研究によると、平均体重90kgの男性が10分間のサウナで消費するカロリーは約73kcal(※1)
「公益社団法人日本サウナ・スパ協会」によると、1回のサウナ入浴は8分~12分が最適とのこと。この1回のサウナ入浴で消費されるカロリーはたったの25kcal。(※2)
体重60㎏の人が、サウナに10分間入ったと仮定した場合、15~30kcal程度のカロリーが消費されるといわれています(※3)
まとめると……
・10分で73kcal(体重90kg男性)
・8分〜12分で25kcal(体重不明)
・10分で15~30kcal(体重60kg性別不明)
サイトによって消費カロリーの明記が少しづつ異なることがわかりました。これは、体重、運動時間の内容によって消費カロリー値が異なるためだと考えられます。
・サウナの消費カロリーを計算
実際にサウナの消費カロリーを計算してみましょう。
ここで登場するのが「メッツ値」と呼ばれるものです。
メッツ値とは、『身体活動量やエネルギー消費量を算出する根拠となる様々な身体活動強度』(※4)のこと。
「身体活動強度」とは、安静時と比較的して、どのくらいのエネルギーが消費されるのか活動の強度を示した数値を指します。(※5)
▲画像引用:「カロミル」https://support.calomeal.com/hc/ja
健康管理アプリ「カロミル」 のサイトからサウナの「身体活動強度」がどのくらいなのか調べてみると「2.5」という数値がわかりました。
サウナに入る時間を10分、体重を50キロと仮定し、計算式に当てはめてみると……。
【計算式】
メッツ×体重(kg)×運動時間×1.05=消費カロリー(kcal)
2.5 × 50(kg) × 0.16(h) × 1.05=21(kcal)
体重50kgの人間がサウナに10分間入っても、消費するカロリーはわずか「21kcal」であることがわかりました。
ちなみに10分を3セット入った場合の消費カロリーは、63kcalほど。
お茶碗一杯分の白米のカロリーは234kcalほどなので、10分サウナを10回くり返しても、お茶碗一杯分のカロリーも消費できていない計算になります。
「想像よりも少ない」と感じた方は多いのではないでしょうか。
2.ほかの運動とサウナの消費量を比較してみよう!
同じ計算式で、ほかの運動や日常生活での消費カロリーとサウナの消費カロリーを比較してみました。(10分×3=30分計算)
①通勤や通学で30分歩く:メッツ値4
4 × 50(kg) × 0.5(h) × 1.05=105(kcal)
②30分間ジョキングする:メッツ値7
7 × 50(kg) × 0.5(h) × 1.05=約183(kcal)
③30分間ジムで筋トレ(腕立て・腹筋など):メッツ値8
8 × 50(kg) × 0.5(h) × 1.05=約210(kcal)
なんと、サウナでの消費カロリーは、通勤通学よりも低いという結果に。
エネルギーを消費するという部分で見れば、サウナはカロリー消費に向いていないと考えられるかもしれません。
3.結局サウナはダイエットに向いてない?
10分のサウナ浴を3セットくり返しても、わずか67kcalしか消費されていないことがわかりました。
この数字だけみると「サウナってダイエットに向かないのでは?」と思う方は多いかもしれません。しかしながら、「継続的なサウナ浴はダイエットに向いている」と言われているんです!
・継続的なサウナ浴で代謝が上げる
『医師が教えるサウナの教科書』の書籍の中に、
『サウナに入ると甲状腺ホルモンが増えるので代謝が上がり痩せ体質になる(※6)』と書かれた一説があります。
サウナに入ると首の前方の甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」が活性化されます。これは、サウナのような高温な場所にいるとカラダが「異常事態だ」と感じ、体内エネルギーを燃やそうとするからです。
甲状腺ホルモンは「脂肪」「糖分」を燃焼させてエネルギーをつくり出し、全身の細胞の新陳代謝を促進させる働きをします。つまり、サウナで身体が温められると、甲状腺ホルモンが活性化し、代謝が上がるという仕組みです。
代謝が上がると、消費カロリー量が増加します。肥満の原因となる「糖質」「脂質」をすぐにエネルギーへ変えてくれるため、太りづらく痩せやすい身体を目指せるんです。
・単発的なダイエットには不向き。ただむくみ取りには最適!
サウナ直後は大量発汗により体重がするんと落ちているように感じます。しかしこれは、汗で体内の水分を失ったため。水分補給するとすぐに体重は戻るので、サウナに入ってもすぐに体重を落とすのは難しいです。
ただ、サウナに入ると「むくみ解消」が期待できるため「今日は顔をシャープに見せたい」という時に最適です。
むくみの大きな原因は、塩分の取りすぎと言われています。
体の中で塩分濃度が濃くなると、体内の水分を増やし塩分を薄めようとするため、体内を水分量が増え「むくみ」として現れてしまうんです。
サウナに入ると大量の汗により、自然と体内の塩分と水分が排出されます。余分な塩分が抜けるためむくみを解消でき、シュッとシャープな印象を作ることができるんです。
4.まとめ
・10分3セットのサウナで消費できるカロリーは案外少ない
・継続的なサウナは痩せやすい身体をつくる
サウナで消費できるカロリーは想像していたよりも少ないですが、継続的にサウナ浴で痩せやすい身体を作れることがわかりました。
ダイエット目的でサウナを活用したいと考えている方は、1回2回のサウナで「効果がなかった」と諦めずに、ぜひ継続的なサウナ浴を試してみてください。
引用元・参考文献
※1:Idetoxサウナのある暮らし,「サウナで太りにくい体を作る方法 – 消費カロリーとダイエット効果を解説」
※2:名和株式会社,「【サウナはダイエットに効かない?】その秘密とは」
※3:バスリエ株式会社,「サウナはダイエットにも嬉しい効果が!サウナとダイエットに関するアンケート調査開始のお知らせ」
※4:カロミル,「運動の項目とメッツ値」
※5:e-ヘルスネット『メッツ / METs(めっつ)』
※6:加藤容崇著,『医師が教えるサウナの教科書』ダイヤモンド社,2020年3月,53ページ,より引用