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サウナ後にアルコールを飲むと太るって本当?

サウナQ&A

サウナでさっぱりした後に飲むビール。全身に染み渡るようで格別においしい!そんな風に感じる方は多いのではないでしょうか。一方で「サウナ後アルコールを飲むと太りやすい」という声も。実際のところどうなのか、気になりますよね。サウナで痩せやすい身体を作りたいけど、おいしくビールも飲みたい。そんな方に向けて、サウナとアルコールの関係を解説します。

目次

1.サウナ後にアルコールを飲むと「太ります」

1.サウナ後にアルコールを飲むと「太ります」

結論からお伝えすると、サウナ後にアルコールを摂取すれば太りやすくなります。


これは、サウナに入ることで腸の吸収力が向上するためです。


特に、糖類が多く含まれるお酒を飲むと血糖値が上昇しやすくなります。血糖値が上昇すると、ホルモンの一種「インスリン」が分泌され、血糖値を下げるために糖を脂肪に変えて、体内に蓄積させてしまうんです。


つまり、サウナ後すぐに糖分の多いアルコールを摂取してしまうと、アルコールの糖が脂肪に変わってしまい太りやすい、ということです。

2.糖類の「高いアルコール」と「低いアルコール」

2.糖類の「高いアルコール」と「低いアルコール」

サウナ後のアルコールは太りやすい。でも、やっぱり1杯くらいおいしいアルコールを飲みたいですよね!


先ほど「糖類の高いアルコールは太りやすい」とお伝えしました。




・シャンパン
・日本酒
・紹興酒
・梅酒
・カクテル
・缶チューハイ
・ワイン
・ビール




これらのアルコールは比較的糖類が高いアルコールです。


一方、アルコールの中でも糖類が含まれないお酒もあります。




・焼酎
・ウィスキー
・ブランデー
・ジン
・ウォッカ




サウナ後はレモンサワーやハイボールなど、糖類の低いお酒を飲むことを意識するといいですよ。

3.ビールは意外と太りにくい?

3.ビールは意外と太りにくい?

ビールも糖類が高いアルコールではありますが「血糖値の上昇値(=GI値)」はそこまで高くないから太りにくいという意見があるんです。


『ビールの糖分は加糖しているわけではなく、製法のなかで生まれてきたものなので血糖値が上がりにくいんです。ビールのGI値はおよそ35。ダイエットに向いているのはGI値60以下の食品といわれています。』(※引用元)


ただ、サウナ直後は腸の吸収力が向上している状態。いつも以上にビールの糖類を摂取しやすいので注意が必要です。


サウナ後にビールを飲みたい方は、きのこや海藻などの食物繊維、豆腐などの高タンパクなものを先に摂取するのがおすすめですよ!






※引用元:


よなよなビール,『【お医者さん監修】「ビールで太る」は誤解ってほんと?糖質が高いのに太りにくい理由をビールメーカーが解説

3.サウナ後の飲酒は1時間後を目安に

3.サウナ後の飲酒は1時間後を目安に

また、サウナ後のアルコールも「摂取時間」には要注意。サウナ後に飲酒する場合は、十分な水分補給を行い、1時間程度休んでからが無難です。


アルコールの分解には水分が必要であることと、全身の血流が良くなった状態だと十分にアルコールの分解がなされないためです。


日本サウナ・スパ協会によると、


『1回のサウナ浴で出る汗の量は約300~400ミリリットル(※)』


と言われています。

数字だけ言われてもあまりピンとこないと思うので、実際に計量カップで測ってみました。結構な量の汗をかいていると思いませんか?


みなさんが思っている以上に、サウナ浴では体内の水分を排出しているということです。


サウナ直後、十分な水分補給をしないままにアルコールを摂取してしまうと脱水症状を惹きおきしやすくなります。のどが渇いた状態でビールを一気飲みするのも、もちろんNG!


サウナ後は十分な水分補給・ゆっくり休憩をしてから、アルコール、食事を楽しみましょう。






引用元:日本サウナ・スパ協会,「なぜサウナは健康によいのか」

4.サウナ前・後の飲酒は絶対にNG!

「サウナ前の飲酒はNG」よく聞くワードですが「ちょっとくらいなら大丈夫でしょう」と思っている方も多いかもしれません。


ですが、サウナ前・サウナ中に飲酒すると「脱水症状」「脳梗塞」「心筋梗塞」のリスクが高めてしまいます。

①脱水症状のリスク

①脱水症状のリスク

アルコールを摂取すると、アルコールの摂取量以上の水分が体内へ排出されやすい状態になります。なぜなら、アルコールには「利尿作用」があるためです。


つまり、大量に汗をかくサウナの前・中にアルコールを摂取するということは必要以上に体内の水分を奪うことになり、脱水症状のリスクを高めてしまいます。


脱水が進むと血液の濃度が高まるため、血栓ができやすくなります。軽度の場合は、頭痛やめまいなどで済みますが、深刻化すると「血圧低下」や体に血液が回らなくなる「循環不全」など、命のリスクが高まってしまうんです。

②脳梗塞のリスク

②脳梗塞のリスク

脱水症状が深刻化すると、体内の水分量・脳の血流が低下します。その結果、血液が濃縮(=ドロドロ)され、血栓ができやすい状態になります。


こうした血栓ができやすい状態で、懸念されるのが脳梗塞のリスクです。脳梗塞とは、脳の血管がつまり、脳細胞が壊死してしまうこと。


利尿作用が高いアルコールを摂取して、サウナで汗をかく。サウナで汗をかきながら、水分補給としてアルコールを摂取する……。どれも体内の水分量を低下させ、脳梗塞のリスクをさらに高める行為です。

③心筋梗塞のリスク

③心筋梗塞のリスク

高血圧や不整脈のある方、透析中の方などなど…何らかの要因で通院中の方は、必ずかかりつけの医師にサウナに行っていいか確認を取る必要があります。


温度変化をくり返すサウナは、急激な血圧の変化により、少なからず心筋梗塞のリスクがあると言われているからです。心筋梗塞とは、心臓に血液をおくる血管がつまり、心臓の機能が停止してしまう病気です。


サウナ施設で、




・急に高温サウナに入らない
・かけ水をせず冷たい水風呂に入らない




と口酸っぱく注意書きがなされているのは、急激な血圧上昇を防ぐためです。


サウナ前・中のアルコール摂取は、こうした心筋梗塞のリスクをさらに高めてしまいます。理由は脳卒中と同じく、サウナで汗をかいて水分量が低下しているにも関わらず、アルコールによってさらに体内の水分量が低下し、血液が濃縮されてしまうからです。

5.まとめ

サウナ後のアルコールは太るのか?について解説しました。




①サウナ後のアルコールは腸の吸収力が向上していて太りやすい

②サウナ後はシャンパン・日本酒・紹興酒・カクテル・ワインなど「糖類」が高いアルコールは避けるのが無難

ビールは糖類は高いが、血糖値の上昇率は低いので実は太りにくいと言われている
(ただ、糖類は高いので、ダイエット中・身体作りを目的としている方は控えた方がいい)


サウナ直後の水分補給でアルコールの摂取はNG。十分な水分補給、1時間程度休息してから

サウナ前・中のアルコールは脱水症状・脳梗塞・心筋梗塞のリスクを高めので絶対にNG


サウナとアルコールの関係への理解を深めて、両方とも楽しんでいきましょう!

参考文献

・小林弘幸著,『自律神経の名医が教える! サウナのトリセツ』,学研プラス,2021年9月,162-167
・全国健康保健協会「”ごちそう”にご用心
・FOOD HACK,「酒類(糖質量,カロリー,GI値,GL値)
・DELISH KITCHEN,「種類ごとに比較!お酒のカロリーや糖質をご紹介
・『【お医者さん監修】「ビールで太る」は誤解ってほんと?糖質が高いのに太りにくい理由をビールメーカーが解説』,よなよなエール公式サイト
・早坂 信哉 監修,『名医がやっている 正しいサウナの入り方』,宝島社,2023年7月,38〜33ページ
・『脱水症は脳梗塞、心筋梗塞の引き金に』,味の素株会社
『寿命を縮める「サウナの禁じ手」10、お風呂研究家が教えます』,現代ビジネス

この記事を書いた人
ライター・はせがわみき
はせがわみきhttps://twitter.com/hamigaki_write
フリーランスライター・社会人になりたての頃、会社の先輩からすすめられた「サ道」を読んだことがきっかけでサウナへどっぷりはまる。サウナは歴8年。サウナスパ健康アドバイザー資格保持。好きが高じて、現在はサウナ施設・銭湯への取材・レポート記事をメインに手がける。好きなサウナは中温・高湿度。好きな水風呂は、ぬるめの18度。
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